かなしみ

悲しい思いをしたいですか。おそらくしたくないと思います。だって、悲しむとは心を痛めることであり、喜ぶの対義語なんですから。みんな悲しい思いなどしたくありません。誰も悲しまない世界、そんな世界があったらと本気で望みます。しかし、この世には多種多様な喜びの陰に多種多様な悲しみがしっかりと存在します。今この瞬間、結婚した人もいれば、家族を失った人もいます。あるところには、快便だった人もいれば、ペンのインクがきれた人もいます。一人ひとりに天国があり、地獄があると思っています。あれこれ比べてどっちが悲しいかとかではないはずです。悲しいものはどうしようもなく悲しいのです。他人が完璧に理解することはできません。分かることができない、だからこそ寄り添いたいのです。否定するでも助言するでもなく、一緒に悲しみたいのです。悲しむべきでないと決めつけず、あなたの悲しみとともにありたい。